ご挨拶

成都市は、三国志で有名な蜀の文化を現代に伝え、物産の豊かさから「天府の国」と呼ばれています。面積約14.3㎢(九州の約1/3)、人口は約1,600万人です。中国内陸部最大の都市で、大型ビルや商業施設が建ち並び、中央政府もハイテク産業基地、商業・貿易物流センターならびに総合交通拠点など、重要な都市に位置づけています。新しい市街地「天府新区」の建設など、古い三国志文化と新しい中国がほどよく溶け合った、日本人にとっても馴染みやすい近代都市です。

2019年の経済はGDP 約1兆7,000億元と全国で第7位でした。また、近年は一帯一路発展戦略の重要拠点の一つ、物流・交通の要衝として中国とヨーロッパを繋ぐ窓口に変貌しようとしています。また2019年には安倍総理も成都を訪問するなど、日本の注目度も年々高まっています。

観光やグルメも沢山の魅力があります。パンダと麻婆豆腐は日本でも知らない人はいないでしょう。この他にも、三国志の諸葛孔明を奉った武侯祠、唐代の有名詩人が住んだ杜甫草堂など日本人にも馴染みのある観光スポットに加え、多くの世界遺産(九寨溝、峨眉山、楽山大仏、都江堰、青城山)があります。

激辛グルメが好きな方には、火鍋(ひなべ)や回鍋肉(ホイコーロー)、担々麺なども手軽に楽しんでいただけます。(もちろん辛くない四川料理もたくさんありますし、本格的な日本料理店だってあります。)

成都日本商工クラブは、成都市及びその近郊地域にある日系企業関係者および在留邦人の親睦や円滑な商業活動の促進を通じて日中両国の友好交流の増進、経済交流の促進に資することを目的として1996年に組織されました。設立当初は50社に満たなかった法人会員数は、日本企業の進出も進み当初の3倍近くにまで拡大しています。

在留邦人数(約350名)は中国沿海部の都市に比べて少ないものの、2012年には「成都日本語補習校」が開校。幼稚部から中学部まであり、毎週土曜日の授業を実施しています。単身者に限らず、ご家族帯同で駐在される会員の皆様にとっても、より暮らしやすい環境が整備されつつあります。

日系の百貨店やスーパーでは多くの日本製品・食品が売られており、治安の良さも相まって日本人にとっても非常に住みやすい街だと言えましょう。また、全日空をはじめとした日本への直行便が毎日運航していますし2020年には新たな空の玄関口となる天府国際空港の開港が予定されています。国内はもちろん国際移動の利便性は高まる一方で、市内には既に地下鉄6路線が運行し、市内移動もスムーズになってきています。

当クラブのホームページでは、こうした生活に密着した情報を掲載しているのみならず、企業で働く皆様に有用な各種情報、関連イベントの御案内など、会員相互の便利な情報ツールとして、また成都をより深く知っていただく便利ツールとして、ご活用いただけるよう、日々情報を更新しておりますので、ご活用いただけますと幸いです。

中国人は成都を「一度来たら離れたくない街(一座来了就不想离开的城市)」と表現します。私も同感です。成都へお越しいただき、美しい街並や、とても温厚な人々と触れ合う機会を持っていただければ、その意味をすぐにご理解いただけると思います。日本の皆様のご来蜀を心よりお待ちしております。

2020年6月
成都日本商工クラブ
会長 鈴木 高徳