第2回西南民族大学イ族学院・日本語作文コンクール授賞式開催(成都日本商工クラブ後援)の件

去る、9月16日(水)16:30より、西南民族大学・博学205号室に於いて、
第2回 同大学イ族学院 日本語作文コンクール授賞式が行われました。


イ族学院主催の同コンクールには、2回目の今回、初めて成都日本商工クラブが後援を致しました。

授賞式には、同イ族学院長で中国少数民族文学学会副会長でもある阿庫烏霧老師並びに当クラブより上田会長他がご出席され、厳粛に且和やかに授賞が行われました。

1-3 位受賞者、特別賞受賞者、優秀賞受賞者の学生さん達には、当クラブ役員企業の皆さんから
ご提供頂いた、各種賞品が手渡され、純朴・紅顔の学生さん達が喜び の笑顔を浮かべていたのが
印象的でした。

以下に当日の写真と第1位の作文を掲載させて頂きます。ご一覧お願いいたします。


『夢と使命』
 夢と使命、人には、それぞれ異なる夢があり、そしてそれぞれの立場により異なる
使命と責任が生まれる。でも、常に人はいくつか異なる立場がある。

 私には一つの夢があります。それは自ら民族の貧困と停滞の現状を変えていくことです。
こんな夢を持つからには、全力で、前進していかなければならない。私には、他の選択は
ないのです。これはイ族の一人として、そしてイ族の大学生としての務めだ。私には、
それを実現する責任と義務がある。
イ族は人口が一千万ぐらいであり、中国西南部では一番多い民族で、全国的にも、とても
大きい民族です。私たちの祖先は数千年来、この地方に暮らしてきて、とても優れた、
素晴らしい文化をたくさん創造してきました。歴史上、統一国家を建てたこともあるが、
今は各地のイ族地域には、統一された言語や文字はなく、さらに大小涼山以外の地方の
人々は、すでに漢族に同化され、自分の言語や文字はありません。近年来、他の民族が
全国各地からここに入り続け、この地域の文化は激しい衝撃を受けました。

 歴史は私たちにこんな真理を示します:強くなりたいのなら、まず自分で願いなさい。
今、数十万のイ族の人々が沿海の各都市で働いていますが、彼らは社会の最低層で、
一番苦労の多い仕事をしており、安月給をもらって生きている。彼らの大部分は小学校も
卒業していない。そして、彼らの習慣があまり非文明的なので、「野蛮人」と呼ぶ人もいる。
私は一つの夢があります。この夢は孫中山や周恩来のように、ほかのイ族の大学生と
一緒になって民族の現状を変えていくことです。
これを実現するのは、簡単な仕事ではない。でも、勉強こそが最も直接的で有効な方法だ。
私には勉強すること以外には、もう別の選択はない。どうして私は、日本語を選んだの
でしょうか?
現代社会では、外国語ができないと、よその人々の優秀な物を学ぶことができないので、
世界から見捨てられてしまうようになる。日本は、私が強い関心を持っている国ですが、
前世紀六十年代から、100年にもならない時間で強い国になった。彼らには優秀なものが
たくさんある。私は大学を卒業したら、日本に行って、大学院に入学したいと願っている。
それが、今まで日本語をずっと学んできた理由だ。
そしてそれはイ族の一員としての私の使命と責任であり、自分の誓でもある。これからも
必ず私は、ずっと努力を続け、日本語や他の知識を学んでいく。

 「努力すると、必ず成功できるわけではないが、努力しなければ、成功することができない」
という言葉を信じている。
「一歩踏み出せば道は開く。迷わずに行こう、行けばわかる」とある友達に教えられる。
私は「物事は失敗に終わっても人生の失敗ではない」と思っている。
だから、自分の全部の力を振り絞って、前に向かって頑張るつもり。

2012級イ日双語
201230605113 沈宏

(なお、写真、作文は主催者およびご本人の許可を得て掲載しています。)

イ族は、中国少数民族の一つ。総人口は約1千万人で中国少数民族56の中で8番目。
主に四川省南部の涼山自治州や雲南省北部に在住。
ロロ・ビルマ語支 に属するイ語を話す民族。イ文字(ロロ文字)を持つ。
古くは精霊信仰を行い、ピモと言う司祭が先導する。龍・鷲・太陽が神。
有名な松明祭りが毎年7月頃行 われており、住民・観光客共々酔いつぶれる。

西南民族大学は、中国で一番古い民族大学の一つ(1950年7月創設)。
中央政府部級大学で国家重点民族大学の一つ。